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親知らずは抜くべきか

こんにちは。戸塚そらいろ歯科です。今回は親知らずについて紹介したいと思います。

親知らずと聞くと、生えてきたら抜いたほうが良いと思う方も多いのではないでしょうか?

しかし、実際のところは必ずしも抜歯が必要なわけではなく、生え方によっては抜かなくても良い場合があります。

例えばキレイにまっすぐ生えてきて上下の歯が噛み合っていて歯磨きがしっかりできていたりするケースや一部だけしか露出しておらず、痛みを感じないという状態であれば、抜かなくても良いと判断することがあります。

ケースとしてはそんなに多くばありませんが、隣の歯を失ったときに少し移動して大臼歯としてそのまま利用するということもあります。

そもそも親知らずって何?

親知らずは最も奥の位置(最前方から数えて8番目)に生える歯のことで「第三大臼歯」という名前が付いています。親知らずは他の永久歯よりも遅れて生えてくるので、生えるためのスペースが足りずに、周囲の歯を圧迫しながら、斜めや横向きになって生えるケースも多く、それが原因で隣の歯を悪くしたり、親知らずが歯茎の中で虫歯になることもあります。

親知らずがまっすぐ生えてきていて、痛みや腫れも無いようであれば放置しておいても問題はありません。

しかし、一度でも痛みを感じたり、歯科医から「抜歯したほうが良い」と言われた親知らずは、なるべく早く抜歯したほうが良いと考えます。

なぜなら親知らずは細菌や汚れがたまりやすい場合が多く、歯茎の下に埋まって見えない状態のまま虫歯になったり、智歯周囲炎という親知らず特有の病気になったり、変な生え方をしているために隣の歯や歯並びに悪い影響を与える場合もあります。また、親知らずが虫歯になったのを放置したことで、ある日突然伝えがたい痛みが出ることがあります。親知らずは一度かかりつけ医に相談し、抜歯が必要であれば虫歯や歯周病になる前に抜歯することをお薦めします。

抜いたほうがいい親知らず

1.痛みや腫れがある

ズキズキと痛みを感じたり、口が開きにくくなるほど頬が腫れている場合はすぐに歯医者に診せましょう。親知らずの周囲にある歯肉が炎症を起こす病気を「智歯周囲炎」といい、細菌が繁殖している可能性があります。

智歯周囲炎は歯周病と同じで、進行すれば最悪の場合、歯を支えている骨が溶けてきます。

歯科用CTを用いることで、従来のレントゲンでは確認できない部分まで3次元的に見れるので、隠れ虫歯や、歯を支える骨にまで歯周病が広がっていないか、下歯槽神経という大きな神経までの距離を計測したりすることが可能です。歯科用CTは当院でも導入していますのでご相談ください。

2.歯並びに悪影響がある

親知らずが倒れこみ、隣の歯を押してしまっている状態であったり、生え方によっては、他の歯を圧迫することで歯並びに影響してしまうことがあると言われています。

親知らずが歯並びに影響するかは諸説ありますが、理論上は、親知らずを抜くことで、他の歯が影響を受けなくなるということになります。 ちなみに、歯の矯正治療をする場合、ほとんどのケースで矯正前に親知らずは抜歯することになります。

3.隣の歯に虫歯が伝播する

隣接する正常な歯や、歯茎にまで細菌が侵食する可能性もあります。親知らずの手前にある歯(第二大臼歯)は顎の咬み合わせを左右することもある大切な歯です。

第二大臼歯に限ったことではありませんが、歯は、失ってしまったら二度と元に戻ることはありません。

痛みがなくても診てもらおう

何度も言うようですが、親知らずは虫歯や歯周病にかかりやすい歯です。また、隣の健康な歯や、歯並びにも影響を与えることもあります。だからといって、誰もわざわざ「痛い抜歯」をして欲しいとは思えないかもしれません。それでも歯科医が「抜歯した方がいいですね」と言うと、「抜歯しなきゃなめなんだな…」と、納得される方が少なくないのも事実です。

歯科医師が痛くもない歯を抜いたほうが良いというには訳があります。それは将来的に、とんでもない瞬間にとんでもない痛みを覚えることのないように、あるいは歯並びや咬み合わせが変わってしまって取り返しのつかないことにならないためでもあります。

抜歯の診断が下るのは怖いかもしれませんが、ご自身のためにも親知らずについて抜歯したほうが良いのかどうか、歯科医師と相談してみてください。

親知らずついてのQ&A

Q.親知らずは何歳ごろ生えてきますか?
A.18〜20歳前後に生える方が多いですが、高齢の方でも生えてくるケースもあります。
Q.痛みが激しいとき、自分で応急処置はできますか?
A.頬が腫れているほど炎症している場合、濡れタオルなどを患部に当てて、炎症を抑えることで、ある程度の痛みを緩和できることがあります。ただし、あくまで応急処置ですので、少しでも痛みを感じるのであればすぐに歯医者に診せましょう。
Q.抜歯する際に、メスで切開する必要はありますか?
A.親知らずの生え方にもよりますが、例えば歯が埋まっている場合などで、そのまま抜歯することが困難な場合は切開するケースが多いです。痛そうなイメージを抱かれるかもしれませんが、麻酔を使用するのでご安心ください。また、場合によっては歯を分割することもあります。
Q.抜歯後の痛みはありますか?
A.個人差がありますが、抜歯後1週間〜2習慣前後は痛みが続く方もいらっしゃいます。
Q.抜歯後、痛みは腫れは?
A.親知らずに限らず、抜歯後は炎症反応が起こり、腫れることがあります。特に下顎の親知らずの抜歯後は腫れることが多いです。これは下顎の方が骨密度が大きいたい脈管系と呼ばれる神経や血管の分布が多いためです。
Q.親知らずは初診でその日のうちに抜歯できますか?
A.出来ることもありますが、できないことのほうが多いです。まずはお口の中をキレイにして、炎症が起こりにくい状態を作る必要があります。また、痛みや腫れが起こっている場合は、まずはそれをとめてからでないと、抜歯後に増悪する恐れもあります。まずは痛みや腫れに対する応急処置を優先します。
戸塚そらいろ歯科では親知らずの診断や治療を行なっておりますのでご気軽にご相談ください。
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