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舌小帯短縮症について

こんにちは! 戸塚そらいろ歯科の丹羽健二郎です。

今回は舌小帯短縮症について紹介したいと思います。

舌小帯とは、舌の裏側に付いているヒダ(ひも状になっている場合もあります)のことを言います。このヒダが生まれつき短かったり、ヒダが舌の先端に付いていることがあり、このような状態を舌小帯短縮症と言います。舌を前に突き出すと、舌の先端にくびれが出来、ハート型の舌になります。

ほとんどのものは重要な問題が無いのですが、ひどくなると、舌先になればなるほど、舌小帯が短ければ短いほど、哺乳力が弱く、体重増加が悪くなります。また3~5歳になって発音がはっきりしないことがあります。

舌小帯の短縮の程度は、舌の先をどの程度上げられるかによって、軽度・中等度・重度の分けられます。簡単な判定方法をご紹介します。「お口を大きく開け、舌の先を上顎に付けて下さい」と言います。お口の大きさ(縦の長さ)の1/2以上上げられたら、「軽度」です。1/2以下しか上がらない場合は、「中等度」です。舌を上に上げようとしても下顎の歯よりも上がらないか、全く上げられない場合は、「重度」と判定します。

「軽度」では、舌小帯が細い紐のように見えますが、舌先を上あごにつけたり、口の横につけたりすることは自由にできます。ラ行を思い切り速く言おうとすると舌がもつれる感じがありますが、日常生活での障害はほとんどみられません。

「中等度」では、舌を前に出したときに先がハート型にくびれます。舌小帯もしっかりした白い紐のように見えたり、ヒダに見えたり、膜のように見えます。舌先を上あごにつけようとしてもつけられず、口の開き方を小さくすれば、なんとか上あごにつけられるという状態です。また、口の横に舌の先をつけることができませんし、くちびるをゆっくりなめることも苦手です。発音では、ラ行がダ行に近く聞こえたり、速く言おうとすると舌がもつれることがあります。くちびるについた食べものを舌でなめることができなかったり、ソフトクリームをなめられないと話される方もいらっしゃいます。

「重度」では、舌を前に出そうとしても下くちびるぎりぎりくらいまでしか出せず、舌を上にあげることができないので、舌小帯が舌の裏に隠れて、よく見えない場合もあります。

このように、舌小帯短縮の程度が軽度の場合は、発音や摂食嚥下機能に問題があることは少ないので、あまり治療の対象となりません。中等度や重度の場合は、「哺乳が上手にできない」、「話すときに舌がもつれる」、「硬いものが上手に食べれない」といった、哺乳障害、発音障害、摂食・嚥下障害が認められることが多く、治療によって改善することが多いといえます。

どのような発音障害があるのか

受診される方の多くは、
滑舌が悪い
早口言葉が言えない
話してると舌が疲れてくる
速く話をすると舌がもつれる

このような症状を訴えます。

舌小帯短縮症による発音障害は軽度のことがほとんどですが、舌の運動制限があるために話しづらさを感じている方が多くいらっしゃいます。

具体的な症状の特徴としては、
・ タ行音やサ行音を発音するときに、舌を上下の前歯の間に挟んで発音する歯間音化
・ ラ行音が歪む
・ ラ行音がつづく単語や速い会話だと発音が不明瞭になる
・ 口をあまり開けずに小さな声で話す
などの発音障害が認められることがあります。

治療法は

舌小帯短縮症に対する治療には、手術と機能訓練があります。舌小帯短縮の程度が軽度の場合は、舌を上手に動かすトレーニング(機能訓練)を行うだけで症状が軽減される場合もあります。トレーニングだけでは舌の動きを改善するのが難しいと判断された場合には、舌小帯のヒダを切る手術(舌小帯伸展術)を行います。術後は、瘢痕収縮の防止や、動きやすくなった舌を上手に使いこなせるようにするために、機能訓練を行います。

戸塚そらいろ歯科では、このような症状も診断できますのでご相談ください。

 

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