インプラントと天然歯のブリッジ、連結について
こんにちは!戸塚そらいろ歯科の丹羽健二郎です。
今回はインプラントをしている患者様でインプラントをしている歯とご自身の歯でブリッジができるか、連結ができるかという質問があったので紹介したいと思います。
まず天然の歯同士は連結可能ですね。歯と歯の中間に位置する歯を失ってしまった場合、両隣の歯を削って、真ん中にダミーの歯を作って固定する『ブリッジ』という方法が一般的に保険診療でも行われます。これは天然の歯同士を連結しても問題ないため行われる治療です。
次にインプラント同士も連結することが可能です。例えば歯を3本連続して失ってしまった場合、両端に1本ずつインプラントを埋入し、真ん中はダミーの歯のみを取り付ける『インプラントブリッジ』といわれる方法が可能です。
では、天然の歯とインプラントを連結することはできるのでしょうか?
天然の歯とインプラントを連結することが可能であれば、インプラントと天然の歯を使ったブリッジがつくれますので、埋入するインプラントの本数を減らすことができ、治療にかかる費用を抑えることができるはずです。
しかし、一般的に天然歯とインプラントの連結は行われません。
なぜでしょうか?
これには理由があります。
実は普段、びくとも動かないように見える天然の歯ですが、目に見えないような範囲で少し動いているのです。天然歯の周りには歯根膜という弾力のある膜があり、歯と骨との間でクッションの役割をはたしています。このため、生理的動揺という0.2mm未満のわずかな動きがあり、うまく衝撃を吸収しているのです。
インプラントにはこの歯根膜がなく、骨と直接結合しているため(これをオッセオインテグレーションと言います)、全くと言っていいほど動くことがありません。
生理的に動く天然歯と、動かないインプラントをがっちり連結してしまうと、動かないインプラントの方に力が集中してしまうことになります。結果、過度の力を受けたインプラントに問題が起きる可能性があるため、一般的に天然の歯とインプラントは連結しないのです。
しかし、これはあくまで理論上の話ですので、状況によって連結されることもあり、絶対に連結してはならないということではありません。
当院では基本的に天然歯とインプラントを連結することはありませんが、積極的に連結するという先生もいらっしゃり、それぞれの考え方があるとは思います。
戸塚そらいろ歯科では,保険診療もインプラント治療も積極的に行っているので、このような治療も相談していただければ、説明をしながら最良の方法を考えていきたいと思います。